fujii7 Diary

fujii7の備忘録

「白鵬時代」は終わったのか?――大相撲夏場所:照ノ富士初優勝⇒大関昇進へ

 大相撲の平成二十七年五月場所(夏場所)は、伊勢ヶ濱部屋の東関脇・照ノ富士春雄(23歳)が12勝3敗で、初めて幕内最高優勝を果たした。報道によれば、場所後の臨時理事会で「大関昇進」が確実視されているという。

 照ノ富士が大関に昇進すると、昨年七月場所(名古屋場所)後に昇進した豪栄道以来の大関誕生となる。これで、3横綱、4大関体制となる。

 2度目となる白鵬の「七連覇」が阻止された平成二十七年五月場所を振り返ってみたいと思う。


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 上表は、平成元年からの幕内最高優勝力士一覧である。平成十八年五月場所で初優勝して以来、昭和の大横綱大鵬を超す優勝を誇る白鵬の名が34回出ている。とくに、2度も六連覇している(平成二十二年三月場所~二十三年一月場所、平成二十六年五月場所~二十七年三月場所)白鵬は、やはり貴乃花と並ぶ「平成の大横綱」に列せられるだろう。

 しかし、今場所の白鵬は11勝4敗、平成二十四年五月場所の10勝5敗以来の悪い成績だった。ちなみにこの場所の幕内最高優勝は優勝時の最高齢記録を更新した旭天鵬だった。

 この頃も「白鵬時代」の終焉が来てしまったのかと思ったが、その後は六連覇を果たした。ただ、今場所は土俵際でバタっと倒される一番が見られ、30歳の白鵬もさすがに衰えを見せてしまったのか。ただ、彼ならば、もう一度出直してくるだろう。来場所、もう一度鍛え直した白鵬の姿が名古屋の土俵上にあるだろう。

 それよりも、けがとはいえ全休した横綱鶴竜の存在がまったく忘れられている。このまま、横綱として優勝しなければ、横綱に上げた日本相撲協会側にも言及されるだろう。けがをしっかりと直して、土俵内容の充実のためにも、地味ながらも確実な取組を期待したいところである。

照ノ富士の大関昇進は時期尚早ではないかという疑問

 照ノ富士が初優勝を果たしたことは素直に「おめでとう」である。確かに、一月場所は8勝7敗で敢闘賞を受賞し、先場所13勝2敗の準優勝・敢闘賞・殊勲賞、今場所12勝3敗、合計で33勝で、大関の昇進基準をクリアしている。

 しかし、一月場所が8勝7敗の勝ち越しギリギリの成績だった点をどうみるか、である。これが10勝だったら、大関昇進は文句なしだが、8勝という平凡な成績である。大関が空位だったり、1人大関だったら、いいのかもしれない。そう考えると、照ノ富士の大関昇進はもう一場所様子を見るというのも一つの判断だったかもしれない。現在の3大関が必ずしも優勝争いに絡んでこないことも、こう考えてしまう要因なのだろう。

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 名古屋での七月場所は、3横綱4大関の上位陣で迎える。今場所は15日連続で「満員御礼」だったとのことだが、この大相撲人気をさらに盛り上げるには、やはり3横綱が千穐樂で優勝決定するような場所を期待したいのである。必ず白鵬は戻ってくるだろう。だからこそ、小兵横綱日馬富士鶴竜に期待したい。その場所をかき乱すような大関陣の充実、そして幕内上位陣の番狂わせを大いに期待して、七月を楽しみに待ちたいと思う。

 ※ 6月20日に、石川県小松市こまつドームで「北陸新幹線開業記念大相撲巡業」が開催される。小松【空港】のある小松市で、北陸【新幹線】開業記念の巡業である。