fujii7 Diary

fujii7の備忘録

観測史上2番目の大きさ

 5月30日(土)20時24分頃、小笠原諸島西方沖(北緯27.9度、東経140.8度)、深さは約590kmで、マグニチュード8.5の地震が起きた(地震規模などは気象庁の速報値)。

 この「小笠原西方沖地震」で、小笠原の母島、神奈川県二宮町震度5強、埼玉県春日部市鴻巣市宮代町震度5弱、関東各地で震度4、北海道~沖縄の各地で震度1から3の揺れを観測する大きな「深発地震」だった。
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(画像はNHK地震情報より)

 この地震の特徴は、「マグニチュード8.5」、「震源の深さ590km」の2点に絞られる。


 私が一番驚いたのは、地震の揺れを観測した地域の面的広さ―北海道から沖縄までの各地―にも驚いたが、「マグニチュード8.5」という地震の大きさである。日本周辺で観測された地震で「観測史上2番目」の大きさである。そして、注目しなければならないのは「長周期地震動」である。

 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震東日本大震災)がモーメントマグニチュード(Mw)9.0、1896年(明治29年)の明治三陸地震がMw8.5で、小笠原西方沖地震は明治三陸地震に匹敵する。なお、小笠原西方沖地震は速報値で今後数値が精査されて変更される場合もあり、1707年の宝永地震はMw8.7~9.3と考えられている。

気象庁は、「今後、観測データを精査することで、震源がさらに深くなったり、マグニチュードの数値が小さくなったりする可能性がある」としています。
小笠原と関東で震度5強 「異常震域」起きたか NHKニュース

 地球の歴史から考えれば、わずか150年程度の近代的な地震観測で、かつ地震計をしっかり配備して観測したのはここ20年程度である。だから、地球の歴史から考えれば、地震はわずかしか解明されていないといっても過言ではない。予知することなんてほぼ不可能である。

 グーテンベルグ・リヒター則の相似則からすると、日本周辺では、M8.0~8.9の地震は「10年に1回程度」であり、M3~4程度の地震は毎日起こっているという。

 地震学者ではないので、軽々なことは言えないが、これまでの知識からいえるのは、マグニチュード8.5の地震であれば、数十km~数百kmの震源域があるだろうということである。Mw9.0の東北地方太平洋沖地震では、東北地方の太平洋沖が500km程度、ずれ動き、Mw9.0という観測史上最大の地震の大きさを観測し、巨大津波が東北・関東地方の沿岸部を襲った。

 「小笠原西方沖地震」において関東地方で揺れが強く観測されたのは、異常震域とともに、プレートの関係、関東地方の地盤の弱さがあるといわれている。

www.nikkei.com

 今回の「小笠原西方沖地震」では、長周期地震動が観測され、「長周期地震動階級2」が、八丈島、小笠原、神奈川県東部、長野県中部、「長周期地震動階級1」が宮城県北部、茨城県南部、群馬県南部、埼玉県北部、埼玉県秩父、千葉県北東部、千葉県北西部、千葉県南部、東京都23区、神津島、新島、神奈川県西部、新潟県下越、静岡県伊豆、静岡県東部、大阪府南部で観測された。
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(画像は気象庁 http://goo.gl/0WKYhR より)

 気象庁には、今回の地震がどのようなものなのか、特に深発の巨大地震による長周期地震動をしっかりと解明してもらい、どう備えたらいいのかを考えていくのが私たちの姿勢だと思う。

 箱根・大涌谷の噴火、口之永良部島の爆発的噴火、さらに、小笠原西方沖地震。次に何があるか、冷静に備えていく必要がある。