開業記念「出発式のテープカット」にみる北海道新幹線と上越新幹線
2016年3月26日、北海道新幹線・新青森⇌新函館北斗が開業しました。
新函館北斗駅を発つ上り一番列車〔はやぶさ10号〕に合わせて、開業記念式典の出発式でテープカットがあり、H5系新幹線が出発していきました。
さて、わたしが思わず「えっ!?」と気になったのは、そのテープカットです。
そのニュース動画は、こちら。
www3.nhk.or.jp
たいてい、テープカットは代表者が横一線に並んで、はさみを入れる。これがテープカットの標準スタイルといえましょう。
きのう6時半過ぎ、新函館北斗駅11番新幹線ホーム。将来の札幌延伸を見据えて、建設費を抑制したためか、そのホームは幅が狭いのか、テープカットは標準スタイルの橫一線では収まらず、なんと冂型に代表者が並んでテープカットするという「異例なテープカット」といえるでしょう。
はさみを入れた方々を画面上で数えてみると、13人。
(NHKニュースより)
ほぼ同時刻に東京駅でも開かれた出発式のテープカットは、5人。
(産経フォトより)
こう比べてみると、新函館北斗駅のテープカットの人数が多すぎという風に感じてしまいます。
ちなみに、新函館北斗駅でテープカットした方でお名前がわかるのは、石井啓一国土交通大臣、高橋はるみ北海道知事、それに胸リボンの色の違いで島田修JR北海道社長が区別できる。東京駅では冨田哲郎JR東日本社長のみしか存じ上げない(産経フォトはキャプションでお名前を明かしていますが)。
念のため、わかりやすく数字を入れてみました。
それに、34年前の上越新幹線の新潟駅出発式のときと比較してみましょう。こちらは、横一線の標準スタイルです。
「鉄道と政治」の典型例とも指摘される上越新幹線の出発式(1982年11月15日)でも、7人。②が若杉元喜新潟市長、③仁杉巌日本鉄道建設公団総裁、⑥が君健男新潟県知事のお三方はわかります。
さまざまなステイクホルダー・パワーゲームの下で、「オレも」「俺も」と手を挙げたのか。それとも、「あの方も」「この方も」「じゃあ、こちらも」と主催者が配慮したのか。
冂型ではなく、テープを新幹線と並行するように横一線に引っ張って、(テープカッターが新幹線にお尻を向けながらも)はさみを入れるか。これだと、メディアのカメラは斜めからになって、新幹線の先頭側でない人は映りが悪いと不満が出そう。テープカットに出てきたい人は「映り」を気にする人たちでしょうから。
テープを3段に構えて、せーので、はさみを入れる。後ろが映らない。
なにはともあれ、13の記念のハサミは道内各地に展示保存されるでしょう。
冂型テープカットというスタイルをみるだけでも、おもしろいものだと感じてしまいます。