fujii7 Diary

fujii7の備忘録

「たま、ごめんね。そして、お疲れさま」

 和歌山電鐵の「たま駅長」が22日に亡くなったそうだ。

nhk.jp

和歌山電鉄の小嶋光信社長は、「たまちゃんの訃報に接し、いまだに信じられません。和歌山電鉄と全国の地方鉄道の救世主としてこの世に現れたたまちゃんと一緒に働けたことを誇りに思っています。たま駅長を名誉永久駅長として、永遠にその名を刻み、残したいと思います」とコメントしています。
また、和歌山県の仁坂知事は「観光のスーパースターとして国内外から絶大な人気を誇り、本県の観光振興に大いに貢献されました。突然の訃報に接し、深い悲しみとともに感謝の気持ちでいっぱいです。どうか、安らかに永眠されますようお祈りいたします」というコメントを出しました。

 地域公共交通の持続的な維持の在り方をマジメに勉強してきた(つもり)ので、動物の駅長を飼えば地域公共交通が維持しやすくなるなんてことはない、と高をくくっていた。そんなことで和歌山電鐵の赤字が減り、黒字化すれば、全国の経営が苦しい地域鉄道はみんな「ねこ駅長」を飼えば、問題は解決する。そういうロジックが成立してしまう。地域公共交通の維持はそんな生やさしいものではない。そう思って、持続的な維持の在り方を勉強してきた。

 しかし、「たま駅長」の活躍は、そんな研究者のちっぽけな考えを吹き飛ばした。これまでの「たま駅長」の活躍は、あらためて筆を起こす必要もない。

 「たま駅長」の活躍は、なんといっても両備グループ和歌山電鐵の小嶋社長の仕掛けがあった。ほかのどこもやっていない「動物駅長」を売りにして、地域を巻き込み、黒字化は果たしていないものの、地域公共交通の再生を成し遂げた、その方向に反転攻勢したという業績は、小嶋社長と「たま社長代理」の活躍以外にない。

 研究者として、「たま駅長」で地域公共交通の再生が果たせないと思っていたから、たまの訃報に接し、「たま、ごめんね。そして、お疲れさま」という言葉しか思い浮かばない。

 「たま駅長」が築き上げた功績は、地域公共交通の持続的な維持の在り方に一石を投じたことは間違いないだろう。

 だから、「たま社長代理」には、これからも柔軟に地域公共交通の持続的な維持の在り方をいろいろと勉強していくことを誓って、どうぞ安らかに永眠されますようにと。

 「たま、ごめんね。。。お疲れさま」