fujii7 Diary

fujii7の備忘録

「駅ナカ」「駅チカ」が消えていく……

私が最寄り駅としているJRの南浦和駅(京浜東北線武蔵野線)。この駅から「駅ナカ」「駅チカ」が次々と消えている。


南浦和駅は、南北に走る京浜東北線(地平)と東西に走る武蔵野線(高架)の乗換え駅で、駅の構造は「橋上駅」の複雑版といったところである。京浜東北線武蔵野線の乗換え駅であるだけでなく、UR南浦和団地など東京都心のベッドタウンの典型的な郊外駅で、さいたま市内の南端に位置していながら、北に向かう電車より南の東京に向かう電車の方が多いというのも、ベッドタウンたる所以でもあろう。

残念ながら、この駅は複雑構造ゆえバリアフリーはなっていないのが現状で、ほんの数年前まではエレベーターが1ヶ所もなかった。今では京浜東北線の2ホーム(島式)と改札階連絡通路の間を結ぶエレベーターができたが、武蔵野線ホームと改札階連絡通路との間、改札口と東西の出入口との間には、エレベーターがない。目下、エレベーターの設置工事が進められている。

そのバリフリ工事のため、駅前ロータリーから次々に店舗が消えていった。ラーメン屋「粋家」(すいか)、銀座コージーコーナー山田うどん。これらは跡形もない。これからエレベーター設置のため、あるいは工事用のスペース確保のためという理由で消えていった。つまり「駅チカ」からこれだけ店舗が消えていった。

それだけでなく、駅ナカの元祖ともいうべき「キオスク」は、通路幅やホーム幅確保のためという理由で、2店舗、こちらも消えていった。改札口近くにキオスクが営業しているから、それでいいといえばそれまでだが、ジューサーバーも消えた。

これで、駅ナカは「駅の定食屋・ちゃぶぜん」と立喰そば「めん処一ぷく」、改札脇のQBハウスだけとなった。そのQBハウスも5月7日に閉店する。残るはちゃぶぜんと一ぷくのみ。

バリアフリー工事とあわせて乗り換え階段新設工事を、1時05分着の終電から4時30分の始発前に施すという、なかなか大規模で複雑かつ難しい工事であるから、駅ナカ、駅チカをやむなく潰しているのかもしれない。もしかすると、営業的に成り立たないから潰したのかもしれない。それはそれでいい。なにもキオスクもジューサーバーも慈善事業ではなく、ビジネスだから。
そもそも、キオスクで買うのは飲み物程度で、自販機があるからそれで足りる。もう紙の新聞も買わなくなった。

もしかすると、人口減少と都心回帰が同時に進行する首都圏郊外の駅では、急速に駅から人が消えて、活気がなくなることを示しているのかもしれない。これは、その前兆でしかない。そんな感じがしてならない。